楽しいゴールデンウィークも
あっという間に終わってしまい、
週末が過ぎ日常の生活が戻ってきましたね。
みなさんはいかがお過ごしですか?
この春から保育園・幼稚園に
通い始めたおともだちは、
入園したての4月の頃みたいに、
お母さんから離れたくなくて、
イヤイヤが復活しちゃった子もいるかな?
『いってらっしゃーい いってきまーす』
この絵本は、保育園に通う女の子、
なおちゃんの一日のおはなしです。
大好きなお父さんの自電車に乗って、
街の角のたばこやさんのおばあちゃんに
あいさつをして保育園に向かう、
なおちゃんのルーティーンが描かれています。
神沢利子さんの『子どもをみる眼』は
彼らの心の動きをよくとらえていて、
ユーモアを交えながら優しく包み込むような、
彼女の心のゆとりのようなものを感じるし、
また林明子さんの初期の絵本のイラストは、
平面的で線や色彩がはっきりしているけれど、
丸みのある曲線のキャラクター達からは
人の温かみを感じます。
もう40年も前に出版された絵本ですが、
古臭さを感じないのがまた魅力ですね。
保育園のお友達や先生、そしてお仕事を終えて
お迎えに来たお母さんとの日常。
お母さんという心の安全基地から飛び出して、
戻ってくる子ども達も
『なおちゃんも、ぼくやわたしと一緒だね』と
自分の体験と重ね合わせることができるかな?
「今日はどんなことがあったの?」と
子どもと楽しくおしゃべりしながら、
一日の終わりに一緒に楽しみたい一冊です。
『いってらっしゃーい いってきまーす』
神沢利子 作 林 明子 絵
1983年7月1日発行 福音館書店